インスタグラムを開けば、
「おしゃれなニッチ」「階段下や小上がり空間に引き出し」など、
隙間を有効活用したい方には「素敵!!」と感じる提案写真がたくさんあると思います。

今回は、ニッチについて考えてみたいと思います。
ニッチとは「隙間」を意味し、建築用語としては、凹みを表し、壁などへこましてできた空間を指します。
最近は、リモコンの出っ張りを無くすために壁を凹まして「リモコンニッチ」をつくる方も増えてきました。

はやりのニッチですが、個人的にはニッチは必要かと問われましたら・・・・
「不必要」と感じます。
なぜなら、凹み部分にホコリはたまるし、将来的にはみすぼらしく感じるから。

基本的には壁をへこまして作るため、設置後「やーめた!」はできません。
ニッチは飾棚です。
しかし薄い棚なのでほとんどのものは飾れません・・・
見せる収納と変わらず、きれいにしておかないとみすぼらしくなります。

最近は、洗面台の横やトイレットペーパーを保管するなど、生活品を置くためのニッチもあります。
しかし、これらは常に見えます。
トイレでも常に保管用のトイレットペーパーが見えるのもオシャレではありません。
扉をつけようとすると壁厚を厚くするなどしないと有効寸法は確保できず、使い勝手も悪くなります。
ニッチは、何を置くか、本当に必要か、と用途をしっかりと考えて設置を計画しなければ、
住んでから後悔するポイントの一つです。
住みだして数年後、ニッチを作ってすごくよかった!!!なんて話はほぼ聞きません。
悩むならやらない方が良い工事の中に入ってくると思います。

リモコンニッチも、リモコンの取付位置を目立ちにくい場所にするなど、計画段階から配慮すれば凹ませる必要はありません。
本来のLDKの使い方を考えず部屋を広くとったり、キッチンがオープンで壁が少ないなど、リモコン設置位置がないから目立つのです。

玄関先の壁がのっぺりするからニッチが欲しいと言われたりしますが、
壁を装飾するのであれば、絵を飾ることや塗壁やタイルなどの装飾を検討することの方がお勧めです。
できれば飾り棚のニッチは作らない方がすっきりとした空間になり、高級感が増しおしゃれだと思います。