町を歩くと洋風の建物って増えましたよね。
象徴的なのは玄関だと感じます。

日本の民家は、玄関ドアを強調した作りではありませんでした。

引違の木彫でひっそりとしたつくり。
料亭や日本の情緒ある場所はアプローチが特徴的です。


近年の洋風な建物は、
玄関が道路方面に「バーン」と向いていて、アプローチも一直線です。
玄関ドアも個性ある重厚感のあるものが多いです。
アクセントという意味ではよいですが、
玄関だけポンと目立つのも味気ない気がします。


かの建築家「フィリップ ジョンソン」は、アプローチは直線ではなく、
クランク(曲がりくねった)した方がよいと残しております。

彼が言うには、斜めからのアプローチが美しい。
だから直線ではなくクランクさせることで建物の見える角度を変えることがよく見える。

また、日本の参道も長くしているのは、
来客者が門までに心を落ち着かせ、準備する効果を取り入れていました。

土地が狭く、距離も確保しにくい日本のアプローチですが、
ちょっとした工夫で解消できると思います。


日本の敷地でもたくさんのクランクは難しいにしても、
脇に季節の花や木々、照明の演出がある方が楽しくなると思いませんか?

防犯上で言えば、玄関が見通し良いのはよいことだと思いますが、
近年のドアは防犯ドアが出来ており、こじ開けがしにくい構造になっています。

玄関までの楽しいアプローチのほうが毎日が豊かな気持ちになると思います。
ちょっと取り入れてみるのもありですよ。


フランク・ロイド・ライトの「落水荘」も 
アプローチはクランクさせて建物を様々な角度から見えるように造られていました!