「もうちょっと楽に動けたら」——その願いを、設計で叶える。
家の中を歩いていて、
「あれ?こっちから行った方が早かったかな」
「ここの行き止まりの壁が抜けられたらなぁ」
そんなふうに感じたことはありませんか?
設計の世界では、これを「動線」と言います。
なかでも「回遊動線」と呼ばれるつくり方が、家づくりでとても注目されています。
回遊動線とは、「行き止まりのない」暮らし。
例えば、キッチンから洗面室を通り、またリビングへと戻ってくることができる。
家の中をぐるりと一周できるようなレイアウトです。
ポイントは、どこかに「通り抜け」や「もう一つの道」を用意すること。
行き止まりがないことで、移動や家事がとてもスムーズになります。
家事動線だけでなく、心の流れも整える。
この設計が支持される理由は、単に動きやすいからだけではありません。
ストレスなく移動できることは、日々の小さなイライラや、もたつきを解消し、
「心の流れ」そのものにも良い影響を与えるからです。
特に共働きや子育て世帯では、時短や効率化以上に「気持ちの余裕」が大切。
動線の工夫が、そのゆとりを支えるのです。
設計の力で、暮らしの循環をつくる。
動線を整えることは、暮らしの“流れ”を整えること。
たった一つの引き戸の位置や、洗面台の向きが、
家全体のスムーズさを変えることもあります。
「うまく循環する家」には、どこか心地よいリズムが生まれます。
それが、設計の力です。
書きながら、目の前をうろちょろする猫(ちよこ)の動きを見ていたら、
あっちから、こっちからと「グルグル」回れる動線は、
猫にとっても良いようです(笑)
回遊動線は、間取りだけでなく、テーブルなどの家具の置き方を意識し、
“流れ”を考えるだけで変わる部分もあります。
日々の動きがスムーズになると、心も軽やかに。
そんな住まいの力を、これからも伝えていきたいと思います。
