「良い土地が見つからない…」
「土地は決まったけれど、この場所で本当に大丈夫?」

注文住宅を建てるとき、多くの方が最初につまずくのが「土地選び」です。特に福岡のように都市部と郊外の差が大きいエリアでは、立地や環境の違いが将来の暮らしに大きく影響します。私はこれまで3,000棟以上の家づくりに携わり、「土地で失敗したために理想の家をあきらめざるを得なかった」ケースを数多く見てきました。

では、失敗しない土地選びのためには何を基準に考えればよいのでしょうか?
今日は 「3つの視点」 を具体的に解説していきます。


1. 建築の“条件”から考える

土地は「思いを形にするキャンバス」です。キャンバスに制約があれば、描ける絵も限られてしまいます。

例えば…

  • 建ぺい率・容積率:建てられる建物の大きさが決まります。
  • 接道条件:道路に2m以上接していないと、そもそも家が建てられないことも。
  • 地盤の強さ:地盤改良が必要になれば、想定外に数百万円の費用増になることもあります。
  • 土地の形状:敷地の形状によって、南北や東西の建物の形状に制限が出ます。
  • 土地の高低差:土地に高低差があると、擁壁の費用やがけの対策など建物と別の費用がかかります。

📌 実例
眺めの良い高台の土地を気に入って購入された建て主様は、購入後、地盤改良に800万円以上かかることがわかり、予算の大部分をそこに取られてしまいました。結果として建物の仕様を削ることになり、理想とかけ離れた家になってしまいました。

土地の見た目の良し悪しより、建築条件を冷静に把握することが第一歩です。


2. 暮らしの“動線”から考える

次に大切なのが、「毎日の暮らし方」と土地との相性です。

例えば福岡では…

  • 郊外の広い土地は駐車場や庭を確保しやすいが、通勤・通学に時間がかかる
  • 都心部の便利な土地は高額で、面積が限られるため設計の工夫が必要

特に共働きのご家庭では、職場や学校へのアクセス、買い物動線を無視すると後悔するケースが多いです。

📌 実例
あるご夫婦は「子どもが小さいうちは郊外の自然豊かな環境がいい」と考えて土地を購入。しかし数年後、お子さんの習い事や通学で毎日車移動に追われ、「もっと駅近を選んでおけばよかった」と後悔されたそうです。

家は30年以上住むものですから、5年後・10年後のライフスタイルを見据えて土地を選ぶことが重要です。


3. “気の流れ”から考える(風水の視点)

最後に少し専門的な話を。私は設計に風水も取り入れていますが、これは「信じる/信じない」ではなく、住んでいて自然と心地よいかどうかに直結します。

特に土地選びで見ておきたいのは…

  • 玄関の向き:家の向きによって取り入れる家の気の流れが変わります。
  • 周囲の環境:大通りや電車、三角地帯などはエネルギーが乱れやすい
  • 土地の形状:旗竿地や極端に細長い土地は、暮らしに制約をもたらすことも
  • 以前の土地の名称:土地の名称には、元々の土地に由来した名前があります。「水や沼など」

📌 実例
町で有名な中華料理屋さん。商売繁盛してリニューアルしていました。行列ができるほどの繁盛店であったのに、リニュアルした直後、なぜか一気に客足が途絶えてしまいました。味が変わったわけでもなく、変な場所でもないのに、、、大きく変わったのは、風除室を作って玄関の向きを大きく変更したレイアウトが原因に。半年もたたないうちに、潰れてしまいました。その後、別の中華料理店が居ぬきでオープンしましたが、こちらも1年持たず閉店してしまいました。


まとめ

土地選びで失敗しないための3つの視点は、

  1. 建築条件を把握する(法律・地盤・費用)
  2. 暮らしの動線と照らし合わせる(通勤・通学・買い物)
  3. 気の流れを意識する(自然の心地よさ・風水)

の3つです。

土地を探すときは「価格」や「場所」だけで判断せず、建築士に早めに相談することをおすすめします。そうすれば「買ったはいいけど建てられない」「思った暮らしができない」といった失敗を防ぐことができます。


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