「注文住宅の打ち合わせ、なかなか終わらない…」
そう感じたことがある方は少なくありません。せっかくのマイホームづくりが、いつの間にかストレスになってしまうケースも見てきました。家を建てる方の中にも「工務店やハウスメーカーと何度も打ち合わせをしているのに前に進まない」という声は意外と多いのです。
では、なぜ打ち合わせが長引いてしまうのか? そして、どうすれば効率よく満足度の高い家づくりができるのか? 一級建築士として、これまで3,000件以上の家づくりをサポートしてきた経験からお話しします。
打ち合わせが長引く3つの理由
1. 目的があいまいなままスタートしている
「とにかくおしゃれにしたい」「広いリビングがほしい」など、希望はあるけれど優先順位が整理されていない場合、打ち合わせが堂々巡りになりがちです。
事例:
あるご夫婦は「吹き抜けにするか、部屋の広さを優先するか」で議論を何度も重ねました。最終的には「もともとの要望」を基準に考え、吹抜けを優先。結果、毎日明るい住まいになったとおっしゃっていました。
2. 図面を読むのが難しい
図面の中には「壁芯」「有効寸法」など、建築用語が多く登場します。専門家でなければイメージしにくいものです。そのため「思っていたのと違う」という修正が増え、打ち合わせ回数も増えてしまいます。
打合せの工夫:
私は打ち合わせの際、できる限りスケッチやメジャーを用いて実際の大きさを説明するようにしています。例えば「冷蔵庫の横に30cmの隙間があります」と図面で見せても実感はわきませんが、実際の寸法で表すと「なるほど、ここにゴミ箱が置けるんですね」と理解が早いのです。
3. 決定権が分散している
ご夫婦やご家族それぞれの意見が強い場合、なかなか結論が出ないことがあります。全員の希望を取り入れたい気持ちは大切ですが、最終的に誰が優先して判断するかを決めておくとスムーズです。
解決策:効率よく満足度を高める方法
- 最初に「家づくりの優先順位」を3つ決める
例:①家事動線 ②収納力 ③外観デザイン
優先順位をつけるだけで迷ったときの判断軸ができます。 - 打ち合わせ前に「暮らしの1日」をシミュレーションする
朝の準備・帰宅後の動線など、生活を想像しながら質問を準備しましょう。 - 専門家を“翻訳者”として活用する
建築士は「図面の読み解き役」としても頼りにしてください。イメージしやすい言葉や絵で説明してくれる相手を選ぶのが成功の秘訣です。
建築士の視点
私は「打ち合わせは楽しむもの」だと考えています。迷っている時間も、将来の暮らしを想像しているからこそ生まれるもの。ただし、長すぎると迷ったり疲れてしまうのも事実。だからこそ、最初の整理とプロとの伴走が欠かせません。
まとめ
注文住宅の打ち合わせが長引くのは、決して珍しいことではありません。しかし原因と解決策を知っておくことで、スムーズに、しかも満足度の高い住まいを実現できます。
福岡での家づくりを検討されている方は、ぜひ一度「優先順位を3つ決める」ことから始めてみてください。
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