「せっかく注文住宅を建てたのに、暮らしてみたら不便だった…」
実はこうした声は、意外にも少なくありません。金額が大きいからこそ「成功する家」と「失敗する家」の差は歴然です。

私はこれまで3000件以上の住宅設計に携わってきましたが、注文住宅を建てる方ほど「間取り」についての悩みが深くなりがちです。理由は、要望が多く盛り込みすぎてしまうことと、工務店やハウスメーカーの営業主導で“規格に見える家(モデルハウス:物販)”になりやすいことです。

今日は、注文住宅を考えている方へ、「成功例」と「失敗例」を比較しながらお伝えします。


成功例①:生活動線を徹底的に考えた家

注文住宅というと「リビングを大きく」「吹き抜けを作る」といったデザイン的な要素に目が行きがちです。
しかし本当に満足度が高いのは、日常生活がスムーズに流れる動線設計がされている家です。

ご夫婦共働き+お子様2人のご家庭。
・玄関→シューズクローク→パントリー→キッチンへ直結
・洗面とランドリーをつなげ、室内干しと収納を一体化

結果、家事の移動距離が半分以下になり「以前の住まいより毎日が楽になった」と喜んでいただけました。
こちらのご要望が「家事動線」「収納計画」と優先順位の高い、具体的な要望が今回の間取りに反映されました。

しかし、収納や家事動線は、こだわりすぎると使いにくくなることがあります。
また、他の空間を壊してしまうことも多々あります。
建てた瞬間は良くても、長い年月使用することを見越して考えることが一番です。

注文住宅は、全体のバランスも考える必要はあります。
家族のライフスタイルが変わることも考えた設計を取り入れましょう


成功例②:余白のある間取り

豪華な設備や大きな部屋だけで埋め尽くすのではなく、“余白”を残す設計が住宅の質を上げます。

例として、
・窓から見える庭の緑
・読書やワインを楽しむ小さなスペース
・家族が自然に集まる「たまり場」

こうした余白が、暮らしの質を大きく変えます。実際に、設計した邸宅では「旅行に行っても、家に帰るとホッとする」と言っていただきました。


失敗例①:豪華さだけを追い求めた家

「とにかく広く」「ホテルのように豪華に」という要望だけで進めてしまうと、**暮らしに合わない“見せる家”**になりがちです。

例として、
・リビングは大空間だが冷暖房効率が悪く、光熱費が高額に
・階段や廊下が長く、年齢を重ねると移動が大変
・家具を置くと動線が悪化

こうした声は実際によく耳にします。


失敗例②:要望の詰め込みすぎ

「書斎も欲しい」「シアタールームも」「ゲストルームも」と要望を全部入れると、どの部屋も中途半端になります。

特にありがちなのが、
・使わない和室
・年に数回しか使わない客間
・収納が分散しすぎて使いにくい

結果として「豪華だけど使いづらい家」になってしまいます。


建築士の視点から

私が考える「注文住宅」とは、単に豪華な仕様や広さではなく、そこに暮らす方の人生を豊かにする設計です。

10年経っても「やっぱりこの家が一番落ち着く」と言っていただける住まいこそ、本当の意味での住宅だと思います。


まとめ

注文住宅で成功するためのポイントは、

  1. 要望に優先順位をつけて、生活動線を大切にすること
  2. 余白を残して“暮らしの質”を高めること
  3. 豪華さより「日々の楽しさ」を優先すること

この3つです。

注文住宅を検討されている方は、ぜひ「見た目の豪華さ」だけでなく、暮らしに寄り添う間取りを意識していただければと思います。