「展示場も確認したし、営業さんはできそうな感じ!!」
「工務店に任せておけば大丈夫!」
「とりあえず契約してと言われたから契約しよう!!!」
「キャンペーンも値引きもあるし!」
そう考えて家づくりを進めてしまう方は少なくありません。
しかし、契約前の図面をしっかり確認しないまま契約・着工してしまうと、住み始めてから後悔するポイントが出てきてしまうのです。

私は福岡を拠点に3000件以上の住宅設計に携わってきましたが、「図面の段階で気づけば防げたはずの失敗」は本当に多いと感じています。
今回は、工務店任せにせず自分でチェックすべき図面のポイントを具体的に解説します。


ポイント①:生活動線が描かれているか

図面は「絵」ではなく「暮らしを描くもの」です。
契約前に必ず確認してほしいのが、生活の動線です。

よくある失敗例

・玄関からキッチンまで遠く、買い物帰りの荷物運びが大変
・洗面とランドリーが別で、家事が二度手間
・寝室がリビングを通らないと行けない
・水廻りの位置がバラバラ(トイレだけが別にある)で住んでみて使い勝手が悪かった。

実際の事例

あるご家族は、当初の工務店プランでは「洗濯室が1階、物干しが2階バルコニー、ファミリークローゼットが1階」
この動線だと、1階→2階→1階・・・
毎日階段を往復する必要がありました。そこで設計を見直し、物干しスペースを1階に。結果「洗濯のストレスが激減した」と大変喜ばれました。
実は似たような内容は気づかずあります。
1方向の動線ばかり見ずに、生活動線を再度見てみましょう。


ポイント②:収納計画の精度

「収納は多ければ安心」と思われがちですが、実際には配置の精度が重要です。

チェックするべき点

・玄関近くにベビーカーやゴルフバッグなど必要なものが置けるか
(シューズクロークがあれば良い!というわけでなく家族の荷物をみつめてみましょう)
・キッチン横にパントリーがあるか
(たくさんつくれば良いわけではありません。キッチン周りの必要なものを書き出してみましょう)
・衣類はどこに置くのか
(寝室の中にウォークインクローゼットを当たり前の様につくったら本当に使いやすいのかは考える)

図面に収納の位置とサイズが書かれていても、実際の生活用品が入るかどうかは別問題。契約前に自分の持ち物をリスト化して、図面に照らし合わせてみましょう。
意外に見落としなのは、置きたいスペースに物は置けても、そこまでもっていけるかは別物です。
ドアが通らない!通路幅が足りない・・・なんてならないように搬入スペースも確認しましょう


ポイント③:採光・通風の計画

図面だけを見ていると気づきにくいのが、光と風の入り方です。

失敗例

・南側に大きな窓を作ったが、隣家の影で光が入らない・・・
・風の通り道がなく、夏に熱気がこもる・・・
・西日が強く、リビングが暑い・・・

特に福岡は夏が蒸し暑いため、窓の位置や大きさを契約前に必ずチェックしてください。可能であれば、建築士にシミュレーションを依頼するのがおすすめです。
たまに、「24時間換気があるから、窓は開かない方がよい」とアドバイスされる営業マンもいるそうです。
本当に窓は必要ないのか?開かなくて大丈夫なのか?
今一度考えてみるのも必要と思われます。


ポイント④:将来を見据えた間取りか

契約時はまだお子さんが小さかったり、ご夫婦が元気だったりします。
しかし10年、20年先を考えると、間取りに柔軟性があるかどうかが重要になります。

実例

お子さん2人が独立後、1階のLDKと和室だけで暮らせるよう設計したご家庭。
「老後に階段を使わずに暮らせるのが本当に助かっている」とのお声をいただきました。

契約前に「将来もこの間取りで快適に暮らせるか?」を工務店に必ず質問してみてください。
お子様が小さいと、「今」を考えて要望を伝えてしまうことは多々あります。
言われるがまま間取りを作るプランナーをよく見かけますが、
その伝えた「要望」は将来使いにくくならないか・・・と建築士さんに再度伝えてみるのもひとつです。


工務店に任せきりにしないために

工務店は施工のプロですが、暮らし方まで深く提案できるとは限りません
だからこそ、建築士や設計者の視点を入れて、契約前に図面を精査することが大切です。

「細かいことを言ったら悪いかな…」と思う必要はありません。むしろ、契約前に確認しなかったことが後悔につながるケースがほとんどです。
契約後に間取り打ち合わせが数回しかができない!なんて話も聞きます。
何度も打ち合わせすることがよいとは思いませんが、初回のヒアリングと初回プランについては、じっくり「対話」することをお勧めします。


まとめ

工務店に任せきりにせず契約前に確認すべき図面のポイントは、

  1. 生活動線
  2. 収納計画
  3. 採光・通風
  4. 将来の暮らし

この4つです。

福岡で注文住宅を建てる皆さまには、**「SNSでばえる家」より「暮らしやすい家」**を手にしていただきたいと思います。

プロフィール&ご相談

モノコトデザイン(日吉 一幸)
福岡を拠点に、年間3棟限定で住まいの設計を行っています。
風水やパーソナルカラーも取り入れ、家族の暮らしに寄り添う設計が得意です。

「福岡で注文住宅を建てたいけれど失敗したくない」
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