「ハウスメーカーと工務店、どちらに頼めばいいのか?」
家づくりを考えると、まず最初にぶつかる壁です。そしてもう一つの選択肢として「建築士に直接依頼する(設計事務所)」という方法があります。実はこの方法こそが「後悔しない家づくり」につながることをご存じでしょうか。

今日は、建築士に直接依頼するメリットと費用感について、福岡を拠点に3000棟以上の設計に関わってきた私の経験をもとにお伝えします。


メリット①:暮らしを中心に設計できる

ハウスメーカーでは「標準仕様」や「商品プラン」がベースになります。もちろん一定の品質は担保されますが、そこにご家族らしい暮らしを細かく反映することは難しいもの。

一方、建築士に直接依頼すると「どんな暮らしをしたいか」から話が始まります。

  • 共働き夫婦なら家事動線を最短に
  • 小さなお子さまがいるなら成長を見守れるリビングに
  • 趣味があるなら土間や専用の空間を設ける

つまり「仕様」ではなく「人生」に合わせた設計ができるのです。


メリット②:中立的な立場でアドバイスできる

ハウスメーカーの営業マンは「自社の商品を売る」ことが最優先です。工務店も「契約して建てること」がゴールになります。

建築士(設計事務所)は違います。設計と監理が仕事であり、施工会社の選定も含めて施主の立場に立って判断します。
「このプランは構造的に無理があります」
「この仕様はコストに見合わないので別の選択肢が良いですよ」
と、時にはNOを言うのも設計事務所の役割です。第三者として冷静に助言できる存在なのです。


メリット③:トータルコストをコントロールできる

「設計事務所に頼むと高いのでは?」とよく聞かれます。
確かに設計料は必要ですが、トータルで見ればむしろ無駄なコストを抑えられるケースが多いです。

例えば過去の事例では…

  • 大手メーカーで提示された見積:約4,500万円
  • 設計事務所に依頼してプラン調整+施工会社を相見積り:約4,000万円

結果として、設計料を含めても数百万円のコストダウンにつながりました。

また「将来のメンテナンスコスト」まで考慮して提案できるので、長期的には大きな差が出ます。


費用感について(目安)

  • 設計監理料:建築費の7〜15%程度(工法や規模により変わります)
  • 住宅の規模:3,000〜4,000万円台の住宅なら300〜500万円前後

もちろん規模や難易度によって変わりますが、「長く快適に暮らせる家」への安心感に投資すると考えれば高すぎる金額ではありません。


私の想いとエピソード

実際に「建築士に頼んでよかった」と言われる瞬間は、お引渡しの時よりも数年後に訪れます。
「旅行から帰ると、やっぱり我が家が一番落ち着く」
「子どもが『この家が大好き』と言ってくれる」
そんな声をいただいた時、心から設計をやっていて良かったと思います。

最近では、わが家の猫「たまえ」と「ちよこ」も図面を書いていると近くで転がっています(笑)。「暮らしを見守る存在」として猫たちも家づくり参加しているのかもしれません。(よく邪魔もしますけど・・・)


まとめ

注文住宅を直接建築士に依頼することは、

  • 仕様ばかりでなく、暮らしを中心にした設計ができる
  • 中立的な立場でアドバイスを受けられる
  • トータルコストをコントロールできる

という大きなメリットがあります。

福岡で家づくりを考えている方、ぜひ「設計事務所に直接相談する」という選択肢を検討してみてください。