家を計画(新築)する時、お金がかかります。
その為、お金の流れをみえる化するために「資金計画」というものを作ります。
資金計画には「建物本体」「諸経費」「オプション費用」「ローン支払い方法」など
会社によって記載方法は違いますが、「新築」する上での費用が記載されています。
資金計画が無い会社は論外ですが、住宅の計画は「総予算」と「要望」を見比べて計画することが失敗しない家づくりの第一歩です。まずは「資金計画」を作ってもらいましょう。
大体の工務店や住宅会社は「資金計画」まではつくってくれます。

ちょっと親切なハウスメーカーですと、FP(ファイナンシャルプランナー)をいれてくれます。
ここで現在のマネープラン(保険や生活費など)を形にして、住宅を取得した場合のライフプランを見直していきます。
(FPに相談することは良い事だと思いますが、保険などの勧誘には注意が必要です。)

住宅ローンは30年近くの長い支払い期間があります。
「家づくり」は、建てた瞬間でゴールではありません。
支払いが続く以上は、その家に「価値」を見出さないといけません。
日本の家は30年程度で建て替えることが多いです。
家に価値を見出すためには、住んでいる間にも「手入れ(メンテナンス)」が必要です。

新築を考える際は、30年の期間のトータルコストまで見据えた「資金計画」が望ましいと思います。
たとえば、「屋根・外壁・防水・鉄部」など外部の補修、「設備(電気・換気・太陽光・給湯器・キッチン・お風呂・トイレなど)」の取り替え補修、「内装材(床材・壁紙など)」の修繕と30年の間にたくさんの修繕工事があります。
リフォーム会社が毎日修繕工事をしているように、たくさんの修繕項目があります。小さな修繕は毎日のメンテナンスで行っていくことになりますが、外壁や屋根など金額の大きくなるものや、構造躯体に影響がでるものはしっかりと修繕していかないと人体に影響も及ぼします。「価値」は下がる一方です。

30年の間に家族の生活も変わります。
子供の成長によりかかる生活費も変わっていきます。
これらの要因で「家の修繕」は後回しになってしまいます。

新築の時には、良いものに目が行きます。
例えば、キッチンや内装材に目が行きがちです。
トータルコストでみると重要な部分は、30年でどうか?と考えると大事な部分が見えてきます。
設備は良い例でしょう。
全館空調や全館換気は、とても良い設備です。
設備単体で見たらよい商品!と言えるでしょう。
しかしながら30年でみると、設備ですのでいつかは壊れます。
壊れた際の修繕コストと修繕時期、あとは使用時のコスト(ランニングコスト)を考えてみると、
予算があれば入れた方が良い商品とわかります。
優先順位が低いのであれば、その予算を断熱材を厚くするなど他の部分に予算を回すことができます。
皆さん限られた予算の中で考えて住まいを計画するはずです。
「どこまでのグレードのものをどこに適用していくのが良いのか?」は皆さん違います。
住む場所・住む環境・住まい方によっても全然違ってくるのです。
「誰かにとっての最高!」はあなたにとっては「最高ではない」場合もあるのです。
インスタや営業マンなど、「誰かに勧められたものは、あなたにとって本当に必要か」は取り入れる際は、一緒に考える必要があるのではないでしょうか。

このトータルコストの考え方を取り入れられる会社は限られています。
ローコスト住宅は、仕様の変更ができない場合がほとんどです。
「新築時」はローコストですが30年後は「ハイコスト」になります。
壁のサイディングは、10年以内には塗装が必要です。
屋根もコロニアルなどの屋根も同様に塗装が必要です。
これだけで最低3回は塗装が必要です。工事としては足場も必要です。
この「将来のコスト」を考えるとどうすれば?となります。
結果、一瞬で「ハイコスト住宅」にへんぼうするのです・・・

住宅会社の変更できない仕様は、あなたにとって本当に変更しなくて良いものなのか?
はプロの目でしかわかりません。
こういったトータルコストの考え方は、専門家のアドバイスも重要です。

住宅を得意としている設計事務所は、トータル予算+意匠(見た目)を考えながら設計できます。
標準仕様は設計者の経験から作っていることが多いですが、施主の目的によって仕様を話ながら変えることができます。
ぜひ、「良い商品・良い材料」という言葉だけに飛びつかずトータルの目で考えてみて下さい。