突然ですが、さてこの楼門は何をイメージして作られたでしょうか?

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答えは・・・

「竜宮城」でした!!

ここは、佐賀県の武雄市「武雄温泉・楼門」です。

温泉で有名な武雄ですが、温泉街の大通りを進むとこの楼門が見えてきます。
楼門をくぐるとこんな感じ↓

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竜宮城のような和風の外観です。

この設計をした方が「辰野金吾」さんです。

代表作はというと 「東京駅!!」
最近綺麗に復刻されましたよね。

こちらの武雄温泉も平成15年に復元されました。

辰野金吾さんの建物は、石で作った赤煉瓦のイメージです
東京駅でイメージはつくと思いますが、煉瓦と花崗岩を帯状に配置したデザインを
「辰野式」と呼ぶほど石の建物を作った方です。 こんなかんじ↓

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でも作ったのは「朱い純和風の建物」
設計段階では、煉瓦造りの図面だったようですが
何故か工事中に設計変更で、木造建築に変わってしまった様です。

しかも楼門は、釘を一本も使わない「天平式楼門」と呼ばれる工法で造られています。

この楼門は大正4年に造られました。
同時期、大正3年に東京駅は造られました。

この2つの建物には面白いエピソードがありました。

東京駅復元で発覚したことですが、
東京駅の八角形のドーム屋根には、石膏で出来た「干支」のレリーフがあったが
八角形の為「干支」は8つしかなく4つ足りない状態だったそうです。

東京駅を復元後、楼門の天井を調べた所
杉板に4つの「干支」が埋め込まれていることを発見したそうです。( . .)φ

すごいですね。。。辰野さんの遊び心と「この建物がなぜ木造に変わったのか?」
少し触れた気がしました。。

こちらは建物の中のお風呂

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お風呂の天井
ここで八角形が登場

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浴室から見た脱衣室

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おしゃれな「マジョリカタイル」
大正時代にはこのようなタイルが流行っていました。

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2階の廊下
きれいな漆喰塗りの壁
窓の高さは絶妙です。
少し天井が高いかな。旅館だからOKなのか。

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休憩室
仕切りがなくオープンな空間に。
座って山側の窓を眺めれば屋根が見えます。
昔は、湯煙に囲まれていたような気がします。

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今回は、武雄温泉でした。
武雄温泉は、宮本武蔵やシーボルト、伊達正宗や伊能忠敬なども入浴したらしい。
(そう教えて頂いたがあまり興味がなかった・・・結局建築以外興味なし笑)

最近何故か「辰野金吾」さんに関する記事や建物の話が目にとまる・・・
そんな矢先に見に行った建物でした。
もう一度本を読み返してみようと思った今日この頃でした。