「賢い子供が育つ家」という本やTVを一時期よく見かけました。

「賢い」というのが勉強ができることなのか、
世の中を上手に生きていけるのかは分かりませんが、
私なりの「子供によい住まい」という考えをお伝えしたいと思います。

「子供によい住まい」とは、毎日コミュニケーションがとれる住まいです。

近年は、共働きが増えているため、子供と過ごす時間は減っています。
減ってしまっているなら「密」にしましょう。ということです。

そのためには、
「子供と交われるスペースをつくる」
「子供の気配を感じられる」
「明るく楽しい家にする」

という事が大切になってきます。

これは、子供だけでなく「家族」でも同じです。
「夫婦の交われるスペースをつくる」
「夫婦の気配を感じられる」

「交われるスペース」とは、子供でいえば、勉強や遊びスペースです。
子供は、小さい頃は特に人の側にいたいと無意識のうちに感じています。

遊びスペースを二階の子供部屋に作っても一人では遊びません。
兄弟がいれば少しは使いますが、基本的にはお母さんやお父さんのそばで遊びます。


勉強も同じです。
ダイニングやキッチン、家事スペースで勉強をさせてあげると、
知らぬまに自分で本を読んだり、お絵かきしたりします。
 

「気配を感じられる」とは、部屋を区画しないことです。




洋風の生活が日本になじんだことの中に、部屋を間仕切ることや、開戸というものが固定化されました。
プライベート空間をつくる上では必要ですが本当にこれが良いことかは、疑問です。

部屋を間仕切らず柔らかく目線を遮ったりすることで、気配は感じられます。
もちろん、光や風といったものも取り入れることができます。
子供にとって家族の気配を感じられることは、安心感を覚えます。

最後に「明るく楽しい家にする」ことです。
家がじめじめ、一日中照明が必要で風も抜けず、
エアコンばかりに頼る家では子供が健康に育つわけがありません。
光がキラキラと差し込み、風が抜けて動きのある楽しい家に住むことは、感性を豊かにします。

「子供によい家」とは、という私なりの考えを述べさせていただきました。

「子供によい家とは、家族にとってもよい家である」と思います。


このような家をつくるためには、設備や性能、間取りを中心に家を考えるのではなく、
家族のコミュニケーションがとれる住まいをまず考えるのが、一番の近道になると思います。