以前、学習塾を作らせていただきました「石松塾」さんよりセミナーの依頼を頂きました。
受験を控えた中高生の方に向けて「建築の仕事」を伝えて欲しいとのことでした。
最近は、建築学科を希望する生徒も増えてきているとのことです。
建築業は幅が広く色々な業種が絡む職業なので、結構わかりにくい様です。
今回は、学生様向けの内容でしたので「建築とは?」について、
自分なりの考えや建築の楽しさについてお話させて頂きました。
中々伝えづらい内容ではありましたが、セミナー後の感想を伺った所、
「建築やってみたい!!!」ってことでしたので興味を持って聞いて頂けた様です!
建築は「ものづくり」と言われますが、私は「もの」というよりは、「想いをつくる」と考えています。
住宅でいえば「お施主様の想いを形にする」ことにはなりますが、それだけではないと思っています。
例えば、映画館や美術館など公共で使う空間は、
オーナー(発注者)がいてオーナーの想い出(ご要望)で建物は出来上がります。
しかし、その空間を使用するのは、別の方です。
オーナーとは別の使用者がそれぞれ時間を過ごします。
初デートの場所だったり、家族で過ごした旅行先だったり、
そこで生まれる「できごと(思い出)」が生まれる空間を作っていると感じています。
マンガでいえば「背景」なんだと思いますが、
こういった観点からいえば「ものづくり」とはちょっと違うのかなと感じています。
住宅は両方の観点から考えてつくる必要があります。
発注者(お施主)だけでなく、家族や友人と過ごす空間でもあります。
家を建て替えで解体する時、涙する人はたくさんいます。
そこは思い出がたくさん詰まった空間だから涙するのだと思います。
「誰かの心の残る空間をつくりたい。」
自分の仕事を見つめかえし、改めてそう考えさせて頂く機会を頂いたそんなセミナーでした。